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近年、大腸がん(結腸がんと直腸がん)が増加しています。平成23年に大腸がんによって亡くなった方は、全国で、肺がん、胃がんに次いで3位となっています。山梨県においても同様に肺がん、胃がんに次いでの3位となっています。 また、罹患率においても同様に増加傾向であり、山梨においてもここ数年は2番目に多い数の方が大腸がんと診断されています。食文化の欧米化等により、今後も増加すると予想されています。
食文化の欧米化により、日本においても肉食が多くなり、繊維質を多く含む食物を食べる傾向が少なくなっています。穀類や豆、イモ、海藻類などは便秘を予防し、発がん作用を弱めると言われています。
また、大腸がんは早期のうちに見つけることが出来れば、手術で完全に治すことが可能ながんです。自覚症状が出る前に見つけることが重要です。目に見えないような少量の出血でも、便潜血反応検査では見つけることが可能です。早期発見、早期治療のためにも、定期的に検診を受けることが大切です。
問診と便潜血反応検査です。大腸の中にがんや潰瘍などができていると大腸から出血します。便の表面を採便棒でこすり取って、大腸からの出血を検査するのが便潜血反応検査です。検査自体も簡単であり、また費用もそれほどかかりません。40歳を超えると大腸がんに罹る人が増加します。また、平成23年度から、働く世代への大腸がん検診推進事業として対象年齢の方に無料クーポンの配布も行われています。ぜひ年に1度は検診を受けましょう。
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当事業団が平成22年に行った大腸がん検診の結果では、受診者数は12,296人、うち要精検者(精密検査が必要と判定された人)の数は608人で要精検率は4.94%。 また、この中で精密検査を受診した人は339人(精検受診率55.76%)。 この検診を通して発見されたがんの数は8人でがん発見率は0.07%でした。
この結果により、大腸がん検診受診者の1万人中、胃がん罹患者は7人。大腸がん検診受診者1万人のうち494人が要精密検査と判定され、実際に精密検査を受ける人はその494人中275人。その275人の中から7人が大腸がんを発見された割合ということになります。
大腸がん検診では、大腸がん以外に大腸ポリープを発見することが出来ます。 同じ平成22年度において、当事業団が行った大腸がん検診において、大腸ポリープ122人を発見し、治療に結び付きました。 受診者1万人あたりに換算すると、大腸ポリープが99人見つかったことになります。
集団検診で見つかる大腸がんは、無自覚であるため早期のものが多く、したがって生存率も高くなります。よって検診による早期発見が大切になります。
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