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肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期のがんには自覚症状がほとんどありません。 定期的な検診や、ほかの病気の検査の時に発見されること多いと言われています。
山梨県では、地方病(日本住血吸虫)の有病地であったことから昔から関心が高く、また肝がんの死亡率が全国的にみても高いことから、県内全ての市町村において、集団検診による腹部超音波検診が行われています。
肝がんの多くはB型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスの持続感染が原因となっています。B型、C型肝炎ウィルスに感染している人は肝がんに発症するリスクがとても高まります。また、アルコールのとり過ぎにも注意が必要となります。
超音波診断装置を使っておなかの中を見る検査です。腹部にゼリーを塗り、プローブといわれる探触子を使って腹部に音波を発信して、腹部内臓器を検査します。肝臓だけではなく、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓なども同時に検査します。 この検査はX線検査のように放射線被爆の心配がなく、検査を受ける人の苦痛も少ない検査です。
当事業団が平成23年に行った腹部超音波検診の結果では、受診者数は19,626人、うち要精検者(精密検査が必要と判定された人)の数は893人で要精検率は4.55%。 また、この中で精密検査を受診した人は557人(精検受診率62.37%)。この検診を通して発見された肝がんの数は3人、またそれ以外のがんが8人、合計で11人でがん発見率は0.06%でした。
この結果により、腹部超音波検診受診者の1万人中、肝がん等の罹患者は6人。 腹部超音波検診受診者1万人のうち455人が要精密検査と判定され、実際に精密検査を受ける人はその455人中283人。その283人の中から6人が肝がん等を発見された割合ということになります。
腹部超音波検診では、肝臓以外にも胆のう、膵臓、腎臓、脾臓なども検査するため、肝がん以外にも各臓器のがんや病気を発見することが出来ます。 同じ平成23年度において、当事業団が行った腹部超音波検診において、肝臓、胆のう、腎臓、膵臓などの疾患を670人発見し、治療に結び付きました。
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